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ビゼー カルメン

オペラを聴きたいけれど何から聴いていいか分からないという人に、自信を持ってお勧めする定番オペラを紹介しています。

今度はビゼーのカルメンです。

序曲や、カルメンの歌う「恋は野の鳥」、それに闘牛士の歌などオペラを聴いたことがない人でも知っているのがビゼーのカルメンでしょう。しかしなかなか満足する映像がないのです。
私が一番にお勧めしたいカルメンは、フランチェスコ・ロージ監督のオペラ映画、ジュリア・ミゲネス・ジョンソンがカルメン、ドミンゴがドン・ホセを歌っている。ですが、DVDで発売されていません。残念。

なので推薦盤はこれ。


歌劇『カルメン』全曲
1987年2月 メトロポリタン歌劇場のライヴ
ジェイムズ・レヴァイン指揮
アグネス・バルツァ(カルメン)、ホセ・カレーラス(ドン・ホセ)、サニュエル・レイミー(エスカミーリョ)

このDVDは歌のあいだは台詞で語られる初演当時のオペラ・コミック版です。(現在普通に上演されるのはビゼーの死後作曲家エルネスト・ギローによって台詞をレチタチーヴォに改作されたものです。)

アグネス・バルツァのカルメンの熱唱には脱帽、素晴らしいです。バルツァの迫力には負けます。ただ、見た目年増女がわがまま言ってるだけのように見えてしまい、妖艶なカルメンという点で私にはちょっと映像的に不満があるのですが…そこまで言うのは酷というものかもしれません。(そのへんはジュリア・ミゲネス・ジョンソンの方がいいと思います。)
一方ドン・ホセのカレーラスは歌唱も見た目も素晴らしい。若々しくりりしいカレーラスは、カルメンに引きずられて破滅するドン・ホセにぴったり。カレーラスの映像では、ドン・カルロと並ぶ名演と思います。
サミュエル・レイミーのエスカミーリョもカッコいい。

舞台のつくりや衣装などもメトのオーソドックスなスタイルで、私は好きです。

結論、他にもカルメンのDVDはありますが、最初に見るカルメンとしてはやはりこれだと思います。